大阪淀川点野ワンド生態系再生プロジェクト始動 Ⅰ

【ご報告】20240908 淀川河川まるごと体験会&キャンドルナイト開催レポート ねや川水辺クラブ

大阪淀川点野ワンド生態系再生プロジェクト ねや川水辺クラブ×NAREC×マイクロソフト社

「ねや川水辺クラブ」は、大阪淀川点野ワンド生態系再生プロジェクトにおける主たる地元団体で、2000年から活動をしています。点野ワンドとは、寝屋川市内域の淀川で唯一切り残されたワンドです。ねや川水辺クラブは、ワンドが生態系に果たす役割の重要性、人々、特に子どもたちが容易に河川にふれあい、生きものにふれあうことができる地域の宝であると、注目し、整備をしながら利用をしてきました。当時、不法耕作地などが残り未整備であった地に、ロープを掛けたり、4m もの手づくり木製階段を毎回運搬設置して、通路を整備したり、外来種を除去するなどして、場を整えてきました。そしてその場を利用して、水辺体験会などを開催し、地域の人々が親しめる場づくりを淀川河川レンジャーとも連携しながら進めてきました。

その結果、淀川で初めての市民提案の再整備モデル地区に指定されました。2020年度から事業が開始され、2023年度には、高水敷公園整備工事、低水敷の整備、ワンド再生工事等がすべて完了し、河川敷公園部分と河川内ワンド・砂州が一つの繋がりのある物として再整備されました。

今年度、NARECがコーディネートさせていただき、マイクロソフト社の寄付による生態系回復プロジェクト対象地となりました。本地区の河川敷沿いの植栽による植生の回復を行い、さらに生物多様性の促進を行うことになりました。具体的には、クズやオオブタクサ、セイバンモロコシといった外来植生を除去し、そこにチガヤ、オギ、セイタカヨシといった在来植生を回復する活動およびモニタリングを行います。

同時に、地域団体や大学のサークル、学生並びに行政と連携してプロジェクトを推進することで、地域交流や地域振興にも貢献することができます。具体的には、毎月の定例活動および年数回イベントを行う予定です。これらの活動を通じて、地域の動植物が住みやすい環境をつくり、豊かな自然環境がもたらす恩恵を享受することで、人々の生活の向上、地域における役割や仕事の提供などの向上に貢献することを目指しています。

ビジョン ~実現したい社会像~
多様な生き物と共に暮らす社会を目指して
ミッション ~私たちの使命~
身近な自然環境を復元すること。
自然体験を通した豊かな感性と人間力溢れるヒトが育つ場を提供すること。  

淀川河川まるごと体験会&キャンドルナイト 

日  時:2024年9月8日(日) 淀川まるごと体験会 9:00~12:00 キャンドルナイト 17:00~

場  所:淀川河川公園点野野草地区・点野ワンド周辺

主催団体:淀川まるごと体験会実行委員会 2024(ねや川水辺クラブ、摂南大学エコシビル部、西寝屋川高校生物部、大阪府「私の水辺」推進協議会北河内委員会、大阪公立大高専、淀川愛好会、近畿子どもの水辺ネットワーク、NPO法人 日本水防災普及センター、枚方市カヌー協会、淀川管内河川レンジャー)

共催:認定NPO法人 自然環境復元協会

協力:寝屋川市自然を学ぶ会、水辺に親しむ会、株式会社エクセディ、淀川河川公園管理センター

支援:国土交通省淀川河川事務所、大阪府、寝屋川市、マイクロソフト社

当日は暑い中、参加者スタッフ合わせて100人以上の行事となりました。どんぐり工作等のクラフト、Eボートやカヌー体験、浸水歩行体験等の防災関係の体験や資料の展示、汚濁水の浄化実験などを行いました。Eボートやカヌー体験は、事前申し込み制でしたが、2日かからずいっぱいになってしまい、参加をお断りした方もいました。

緑陰に、ブランコ、タイヤブランコ、縄ばしごを設置し、色々な体験をできるようにしました。子どもたちに大好評でした。

午前中のまるごと体験会に続き初めての行事の点野淀川キャンドルナイトを行いました。黄昏時に摂南大の吹奏楽部の演奏を聴きながら、だんだんと明るく見えてくるキャンドルを楽しもうとエコシビル部の学生さんを中心に企画しました。淀川の水面に映る夕日を眺めて、演奏を聴きながら、芝生の上に浮かび上がる「点野」の文字を堤防の上から眺めたり、昼間の暑さが少し和らいでくるのを感じたりもしました。

朝早くからまるごと体験会の準備から始まり暗くなっての片づけまで大変でしたが、いい行事になったと思います。

【レポート】ねや川水辺クラブ 代表 竹井隆英


レンジャーズプロジェクトは、活動を通じて、参加した人が、受入れ団体に加わることで、環境団体が持続的に活動を続けられるようにすることを目標としています。

人手に困る環境保全団体とボランティアを行いたい個人や企業・団体を結び、次世代の自然の守り手を育てることで、身近な自然を保全し、持続可能な社会の実現に寄与していきます。