特定非営利活動法人自然環境復元協会設立趣意書

 現今、人類が当面する最大の問題は、環境問題であると思われます。産業革命以後約二百年間、環境に顧慮することなく進められてきた文明によって地球環境が破壊、汚染され、このままで事態が進行するならば、人類の絶滅をも惹起しかねない、いわゆる地球環境の危機が明確化しつつあります。その内容は大まかに、資源の枯渇、汚染の拡大、種の多様性の減少に区別されます。もちろんこの三者は相互に関係を持っています。

 このうち、種の多様性の減少にかかわる分野では現生自然だけではなく、「身近な自然」についても近年問題になってきています。そのため、これらを保全・復元する活動が国内では市民活動から始まり、やがて全国で行われるようになりました。また海外でも、中でもドイツなどでは積極的に行われ、今や世界的な流れになりつつあります。

 このような市民による身近な環境の保全、復元は、ひいては資源の枯渇、汚染の拡大をくい止め、持続可能な社会を創り出すことにつながると考えられます。本協会は原生自然の環境及び身近な自然環境の保全、復元とその創造に関する理念、理論ならびに手法の確立を目指し、そのための研究、調査および啓蒙活動を行い、人間と自然が共生した社会を構築することを目的として設立するものであります。

2000年7月13日 
特定非営利活動法人自然環境復元協会

(認証申請分原文)NL創刊号より